私は今も、教育にとても関心があります。
中でも「心の成長と発達」といった分野に最も興味があります。
- 子どもたちの自己肯定感はどうやって育てられるのか?
- 情緒の安定した子どもを育てるにはどう関わっていったらいいのか?
大学時代や教員時代に学んだことも多くありますが、
実際親になって初めて知ったこと・感じたことがたくさんあります。
中でも、「泣く」ということが心の成長や発達にいかに大切か、これまでの子育てを通して学びました。
わが子の様子を振り返りながら、"泣くことの大切さ"について考えてみたいと思います。
お願い泣かないで!と思っていた一人目育児
一人目の育児は、慣れないことも多く、また今のように夫が早く帰ってくることも珍しく、毎日いっぱいいっぱいでした。
子どもの自我が芽生えてくる1歳台に二人目を妊娠し、自分の体が自由に動かない中子どものイヤイヤ期を迎えました。
子どもの激しい主張と日々繰り返されるワンオペ育児に、私はイライラガミガミ…。
お願いだから泣かないで!困らせないで!と思って過ごしていました。
よその子がわんわん泣いて、その親御さんが罵声を浴びせているところを見ると、とてもいたたまれない気持ちになるのに…
実際家では自分も同じことをやっていました。
次第に娘も反抗的になり、お互いどんどんエスカレートしていったように思います。
(今となれば、反抗してくれてよかったなと思います。一番深刻な状況は、反抗すらできない状態でしょう。)
いっぱい泣いていいよ!と思っていた二人目・三人目育児
一人目育児の反省から、二人目・三人目育児は、いっぱい泣いていいよ!泣いたらママが抱っこするからね!といった姿勢で関わってきました。
もちろん、二人目以降の余裕もあると思います。
子どもが泣きたい時に泣いて、ママに受け入れてもられる。
そんな普通のことが何より大切なのだと、私はようやく二人目育児で気づきました(きっと以前は「教師だから子育ても上手くやれる」といったおごれた気持ちがあったのでしょう)。
二人目の長男のこと
二人目の長男は、小さい頃からとにかく泣く子でした。
年少の頃は、幼稚園バスに乗る時はほぼ一年間、また運動会の時も、参観後も、私と離れる時は必ず泣いていました(なにがそんなに悲しいの、ってほどに!)。
年中になってからも泣くことは多く、年長のクラス担任の先生へ「よく泣きます」と申し送りがあったそうです。
しかし、年長になってからは本当にたくましくなりました。親から見ても、心が安定しています。幼稚園でも泣くことはないそうです。
たくさん泣いて、しっかり受け入れられて、自分の中できちんと処理できて…
少しずつ心が育ってきたのでしょう。
三人目の次男のこと
三人目の次男は現在3歳年少。まだまだ泣く歳です。
今も、日によって幼稚園バスに乗る前に「ママがいい~」と泣きます。
親やきょうだいに怒られたとき、社宅のお友達と喧嘩した時なども、すぐに泣きます。
幼稚園でもたまに泣いているそうです。(本人、また同じクラスのお友達からの話による)
ですが、長男の時の経験から、特に心配はしていません。
むしろ、今いっぱい泣いていいよ、と思って過ごしています。
小学校に入って泣くようになった娘と私の学び
小さい頃にしっかりと私に甘えられなかった娘。親から見ても、心が不安定だな、と思うことがありました。
「今のままではいけない!」と私が関わり方を改めると、少しずつ不快な感情を素直に言葉に出したり泣いたりできるようになりました。
一年生に入って泣き、二年生の一学期も泣き…。
「周りの子たちは楽しく学校に通っている」ということはなるべく考えないようにして、娘だけを見、基本的には受け入れる・安心させるという姿勢で関わってきました。
まだまだこの状態は、長く続くだろうと思っていたのですが…
二年生の二学期から、明らかにこれまでとは違い、心の安定を感じるようになりました。
前は、家を出る時「下まで(一階まで)ついてきて」と言っていたのですが、今は「いってきま~す」と自ら出て行くようになりました。娘の中で、何か一歩進んだように感じます。
ああ、泣くって子どもにとって本当に大切なんだ。
子どもは、泣いたことを親に受け入れてもらって、少しずつ心を成長させていくんだ。
親が無理強いしても、決して子どもの心は育たない。急いで成長させるものでもない。
そんなことを感じました。
泣くことは不快な感情を和らげる力がある
わが子に関することではありませんが、『泣く』ということに関して興味深い記憶があります。
それは、中学生の頃の保健の授業の一コマ。
女性の先生が、次のような質問をされました。
「男性と女性とでは、どちらが自ら命を絶つ人が多いと思いますか?」
みなさんは、どちらだと思いますか?
答えは、
「男性」です。
そして、その理由が興味深いのです。
「なぜなら、男性は泣けないから」
- 男なら泣くな!
- 男が泣くのはかっこ悪い!
一度は聞いたことがあるかもしれません。
ところが、その言葉は危険をはらんでいます。
『泣く』にはものすごい効果があって、泣くことで不快な気持ちを和らげてくれるそうです。
このことからも、『泣く』には、心の成長や発達に大きな影響があると言えるでしょう。
おわりに
本来、子どもはたくさん泣くものです。
それにも関わらず、「お願い泣かないで!」と思っていた以前の私は、反省しかありません…。
早く自立させようと急かしたり焦ったりしても、子どもの心は育ちません。
むしろ、泣いている子どもに粘り強く丁寧に関わった方が、心は安定し、結果早く自立できるのかもしれません。
私が、こんなに『泣く』ことが大切なのだと気づけたのは、以前も紹介したこの本のおかげです。
本のタイトルのように、ちゃんと泣ける子に育てたいものです。
今日は、『子どもが泣く』ということの大切さ、『泣くことを親が受け入れる』ということの大切さを伝えたく、この記事を書きました。
この想いが、誰かに届けば嬉しいです。
そして、社会全体が「子どもの泣き」に寛容になると、もっと子育てしやすい世の中になるのかなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。