私がやりがいのある小学校教師の仕事を辞めようと考え始めはじめたのは、三人目を出産した後のことです。
育児休暇も合わせて12年の教師生活に、ピリオドを打つことにしました。
まさか自分がこの仕事を辞めるなんて…
こんな風に考えが大きく変わる日が来るなんて、思いもしませんでした。
そのきっかけとなったのが、家の片付けでした。
三人目を妊娠中に引っ越し、片付かないまま里帰り
妊娠8ヶ月の時に転勤による引越しがありました。
手続き、娘の転園、荷ほどき…
自分の体が思うように動かない中、4歳の長女(当時年少)と2歳の長男を連れての引っ越しは、とても大変でした(一時切迫早産に)。
結局、引っ越し先の家は十分片付かないまま、実家のある熊本へ里帰りすることになりました。
産後の生活への不安と一冊の本
実家にいる間も、もうすぐ始まるワンオペ3人育児の不安ばかりが大きくなっていました。
毎日毎日どうしたらスムーズに回るかな?とそればかり考えていました。
そんな中一冊の本を読みました。
これには、子どもができることは子どもにやってもらう工夫がたくさん載っていました。
当時は主人も帰りが遅く、手伝いは望めない。私は赤ちゃんのお世話に手がかかり、とても上の子たちに手をかけてやれる自信がない。
これだ!と思いました。
実は以前、本屋さんでこの本を手に取ったことがあり、いい内容だな~と記憶に残っていました。
熟読し、イメージはしっかりでき上がりました。
産後の片付け
産後、社宅に戻って片付けを始めました。
- 毎日何度も使うコップやお皿は子どもたちの手の届く引き出しへ。
- おもちゃは子どもたちが片付けやすいように。
- 洋服も子どもが自分で身支度できるように。
- キッチンも私が使いやすいように整えていきました。
当時は、その作業が楽しくて楽しくて。
よく周りからはいつやってるの?と聞かれましたが、楽しいことはやりたくなるもので、日中子どもが遊んでいる横で、夜中目が覚めたときにやっていました。
帯状疱疹が発生
そんな時、腰のあたりにできものが。初めは虫刺されかと思いました。
ネットで検索してみると、帯状疱疹という文字…初めて聞きました。
翌日皮膚科を受信してみるとやはりそうでした(O。O)
幸いひどくはなく、血液検査の結果も異常なし。今回はただただ寝不足が原因だったようです。(治療のため、約1か月通院し、その間主人の実家のみんなにお世話になることに)
産後2ヶ月の体で夜な夜な片付けをするのは無理があったようです。
それから皮膚科の先生に老化だ、とも言われました…。-_-
片付け中にぶつかった問題
夜中は授乳と寝ることに専念しようと決めましたが、片付けの熱は冷めることはありませんでした。
日中ほぼ家にいる私にとって、そこがきれいであることは気持ちのよいこと。
はじめた頃は、カゴやケースなどを使い、きれいに見えるよう収納していました。
100円ショップやホームセンターに行っては、毎回たくさんの収納ケース、カゴ、突っ張り棒などを買ってきました。2歳の長男とまだ0歳の次男を連れてでも行きたいほどでした。
それによって、家が少しずつ整えられていく様子がとても嬉しかったです。
当時は家にあるものを、何とかして全部収納しようと考えていました。
しかし間もなく、その状態を維持できない問題にぶつかります。
設置するときはよくても、徐々に乱れていくのです。
物の量は変わらないので家事や掃除などの手間は変わりませんでした。
むしろ多量のカゴやケースがあるため大変に…。
突っ張り棒もあちこちにしていると見た目も悪く、落ちる心配もあり、生活しづらかったです。
衝撃!ミニマリストを知る
その頃、片付けに関するブログも読んでいました。
そもそも、収納するのではなく"家にあるもの自体を減らす"ことを知りました。(今では自分にとって当たり前のことですが、当時はそんな考えは全くありませんでした。)
『ミニマリスト』という言葉を知ったのもそのときです。
それからミニマリスト関連の本を読み漁りました。
その生き方は私にとって衝撃でした!!!
最低限のもので暮らし、生き方・考え方もシンプル!こんなにも身軽なに生き方があるのか!と。
そしていつしか私も、こんな風に生きたい!一度しかな人生、自分の好きなことをしたい!
そう思うようになりました。
片付けに変化が起こる!
私の徹底的な片付けが始まりました。
とにかく今使っているものを残し、後は家の中から出す!
捨てるものにフォーカスするのではなく、使うもの・好きなものにフォーカスする。それ以外は自分にとっていらないもの。
するとどうでしょう。
もの自体が減ったので、それを収納する収納ケースやカゴなどが大量に必要なくなってしまいました。出るわ出るわ…。
それを見て、私は一体どれだけ必要ないものにお金を使ったのかと思いました。(でも今思うと必要なプロセスだったのかもしれません。)
"ものは、ただそこに置くというのが一番取り出しやすく戻しやすい。"いつも頭にある言葉です。
これまでも片付けに火がついたことはありましたが、ここまでの片付けははじめてでした。
徹底的な片付けをした結果
家の中がすっきりとし、心地よい風が流れるようになると、不思議なことに心まで軽くなったのです!
これまでのどんよりした感じ、しがらみがすっとなくなっていくようでした。すぐ行動に移せる身軽さも感じました。
また、これまでは休日になると、どこかへ出かけよう!と外出していたのですが、家にいることが大好きになりました。
そして家を整えると、今度は家計も見直したいと自然な流れで考えるようになりました。
それについてもたくさんの本を読み、実践していった結果、共働きのときとほぼ変わらない貯金ができるようになりました。(私は無給、主人は当時より昇進して少し給料は上がった状態)
また、さらに進んで投資にも取り組むようになり、こういった過程で、私はこれまでどれほど無知だったのか!と気づかされました。
これからの生き方を考える
新天地での未知の三人育児、はじめは不安しかありませんでしたが、そのおかげでミニマリストという存在や、読書の素晴らしさを知ることができました。
大変だと思っていたことが、私にとって大きな転機となりました。
働くのは、まず自分の足下を整えてから。
そう思うようになりました。
過去一番真剣に勉強して得た教師の職。
安定した公務員。
やりがいと責任が詰まった仕事。
それを手放すというのは惜しい気もしたけれど、
- それまでの自分よりも今の自分が好き!
- 育休中にたくさんの気づきがあったように、これからもまだまだたくさんの学びがありそう!
- 子どもたちの母親は私しかいない!
- “教育“は今も興味のある分野だけど、子育てが落ち着いてから講師やボランティアなどいろんな形で携わることができる。本気でまたなりたいと思ったら再度試験を受ければいい!
- 読書から学べることは計り知れない!その時間を削ってまで仕事をするのは私の望むところではない。
もちろん仕事に戻って経験を積めばそれはそれで違う学びがあったと思いますが、私にはそれよりも今の学びの方が魅力的でした。今の生活で非常に未熟さを感じたからこそ、それを埋めるためにまだまだやれることが無限にある!
今の生活を守るために教師を諦めたという感覚ではなく、"一人の人間として穏やかに毎日を過ごしたい!家族との時間を大切にしながら家や家計を整え、読書などを楽しみたい!"
そちらの道を選びました。
お読みいただきありがとうございました。